頭頸部美容外科



LeFort T
 (内視鏡補助下)

lefort





小顔のために、概ね小鼻の高さで上顎骨を骨切りし、更に断面を短縮して上下方向に小さくします。

上アゴの前後方移動や縦回転、左右の向き、傾きの調整(「顔面非対称」、「顔面捻転」、咬合不全の手術)としても行います。

ケースによっては、上アゴの前後方移動や縦回転、短縮を行うだけで「ハーフ顔」「犬顔」に近づけられます。



予め術前検査を行います。

予め歯科にて術前準備を行います。

予め自己血貯血を行います。

全身麻酔と局所麻酔を併用します。

(場合により気管切開を要します。)

口腔粘膜の一部に切開を加えます。

粘膜下や筋肉、骨膜を剥離します。

小鼻の高さで咽頭まで上顎骨を離断、短縮します。

チタンプレートで骨を再固定します。

キズを閉じます。

一晩呼吸管理を行うことがあります。

術後顎間固定は省略可能です。


通院を要します。

原則、術後の歯科治療を要します(別途費用)。

術後管理(別途費用)を要することがあります。




※術前準備に1か月半以上掛かります。

※使用する薬剤等でアレルギーを起こす方は施行できません。必ず事前に申告して下さい。

※持病等のある方は施行できないことがあります。必ず事前に申告して下さい。

※妊娠中、授乳中は手術出来ません。必ず事前に申告して下さい。

※輸血を要する事があります。

※後遺症が残り得ます。

※周術期死亡リスクがあります。





LeFort T (内視鏡補助下) \1,500,000+消費税

※High cut LeFort T対応。

※調整内容により異なることがあります。(高度なアレンジが加わる場合はプレートやスクリュー、替え刃の種類や数などが変わります。)


LeFort T+SSRO (内視鏡補助下)

参考価格 \2,500,000〜+消費税

※調整内容により異なります。(定型術式通りの場合は参考価格で可能ですが、高度なアレンジが加わる場合はプレートやスクリュー、替え刃の種類や数が変わって高コストとなるため手術料に幅があります。)



中顔面部を中抜き短縮する小顔手術として知られるLeFortTですが、美容外科の観点からすると、2点重要な注意事項があります。

1点目は、中抜きする位置が上顎ではなく小鼻の位置であるため、中顔面と一緒に鼻も少し短くなって逆T字型になることです。この短鼻化については別途、鼻の手術や処置を加えて長くすることで対応しています。他院術後も修正手術可能ですので受診してみてください。

2点目は、上顎=歯茎の部分は短くならない点です。犬歯を温存する為、このような術式になっています。つまり、本法はガミースマイルにも適応されていますが、厳密にいうと根治的に長い歯茎を短くする手術ではない為、姑息的手術となり術後満足感が乏しい症例があることも確かです。鼻と歯茎が長い所謂「馬面」への適応については中顔面部を短縮する手術という点では根治的ですが、やはり歯茎の長さはそのままです。本法の一番の適応は「目と鼻の間を短くして小顔にしたいケース」「鼻の長すぎる面長」となり、この場合は根治的手術となり最適です。

また、「術前に歯列矯正は必須か否か」については松井医院でも必須ではないと考えます。先ずは顔面頭蓋の骨格の形を良くし、その状態に合わせて抜歯、歯の移動を行うほうが無駄なくゴールに辿り着けるからです。(この方針は世界的に「サージェリーファーストアプローチ(SFA)」と呼ばれ広まっています。)よって、最終的な歯並びも計画に入れてデザインしていますが、松井医院では先に一番大事な顔の骨格を美しくデザインして造ります。この方法はチタンプレート、特にロッキングチタンプレートの開発によって実現可能になりました。


以下にLeFort Tの術式を紹介します。

まず準備として、経鼻挿管又は気管切開による全身麻酔とブロック麻酔に加えて抗生物質添加エピネフリン入り局所麻酔を術野に注射します。

また、体表より眼窩下孔の位置を同定してマーキングします。

上口唇歯肉移行部の2,3o唇側で耳下腺開口部を見ながら左右の第二小臼歯か第一大臼歯の間の口唇部粘膜に切開を置きます(上口腔前庭切開)。

上唇鼻翼挙筋や上唇挙筋を温存するように筋の裏面をなぞって粘膜下を移行部側へ剥離します。鼻柱下制筋は絹糸でマーキングして切離します。

上顎骨の骨膜に達します。

骨膜を切開し剥離します。

鼻柱下制筋も一部剥離し、梨状口下部と前鼻棘を露出します。

眼窩下孔からの距離を確保しつつ、脂肪の脱出を避けるために頬骨弓内(側頭下窩)の骨膜を温存しながら上顎を露出させ、奥の「歯槽骨」の上へ上顎結節内に複数ある後上歯槽動脈や神経を温存しながら剥離を進め、更に翼口蓋窩内の他の顎動脈の分枝を温存しながら、翼上顎裂(この底が翼上顎接合部《pterygo-maxillary junction, PMJ》に相当)まで後方(奥)へ剥離します。 但し、上顎短縮の場合は下側の後上歯槽動脈や神経を切離します。

梨状口下部外側縁から下縁の入り口近くの骨膜を鼻粘膜ごと剥離します。

下鼻甲介より下で鼻涙管開口部を診ながら、鼻腔外側壁(上顎洞内側壁)の骨膜を鼻粘膜ごと後鼻孔まで剥離します。

切歯管開口部を診ながら、鼻腔底の骨膜を鼻粘膜ごと後鼻孔まで剥離します。鼻口蓋動静脈と神経は場合により切離します。

同じ高さで切歯管開口部を診ながら、鼻腔内側壁(鼻中隔)の軟骨膜と骨膜を鼻粘膜ごと後鼻棘、鋤骨後縁まで剥離します。鼻口蓋動静脈と神経は場合により切離します。

左右とも施行します。

犬歯の歯根から3o離すようにして梨状口外側縁下端寄りからハの字に上顎骨前面に墨出しし(けがき)ます。

(High cut LeFort, step osteotomy では梨状口外側縁下端寄りから水平に始めて頬骨弓の付け根(頬骨突起移行部)の下端を可及的に迂回するように縦に段差を付けて墨出しします。)

歯根から3o離しつつ一番下の後上歯槽骨動脈(上顎結節の歯槽孔)より下方で上顎骨外側面に墨出しし(けがき)ます。

墨出し線に沿ってフィッシャーバーなどで溝を付け、切離線とします。

左右とも施行します。

短縮の場合は、下鼻甲介付着部を原則温存するようにして通常5〜7o幅で切離線の上方にもう一本、梨状口下部外側縁から墨出しし(けがき)ます。

上顎洞を墨出し線に沿って上下に分割する様に骨切りしますが、副鼻腔粘膜ごと切開するため上顎洞は開放されます。

短縮の場合は下の墨出し線に沿って骨切りします。

通常、頬骨弓の付け根(頬骨突起移行部)から上顎骨前面をソーで骨切りします。梨状口側縁に細動脈が走っているため、ここは後で切ります。

翼口蓋窩にある顎動脈枝などの血管群や後上歯槽骨動脈(上顎結節の歯槽孔)を診ながら上顎骨外側面をソーで途中まで骨切りします。下行口蓋動脈の走る大口蓋管を温存するために上顎洞外壁後部の骨は一部残します。

鼻涙管開口部を診ながら、上顎洞内側壁(鼻腔外側壁)を鼻粘膜を保護しながらソーで途中まで骨切りします。残した梨状口側縁と細動脈はここで切り、大口蓋管温存のために上顎洞内壁後部の骨は一部残します。

大口蓋管外側部の骨組織を温存するように、上顎洞外壁後部の骨を翼上顎裂の手前まで、もう少しノミで切ります。上顎洞後壁(翼上顎裂前方の上顎骨)は残します。

大口蓋管前壁の骨組織を温存するように、もう少し上顎洞内壁後部の骨をノミで切ります。上顎洞後壁(大口蓋管前壁を作る口蓋骨と上顎骨)は残します。

上顎洞後壁の硬さを刃先に触れることで到達したと判断します。

左右とも施行します。

(従来は翼上顎裂からPMJに割を入れる、という操作がされてきましたが、大口蓋管損傷の原因になることがあるため現在は省略することが多いです。)

前鼻棘から鼻中隔軟骨、鋤骨、後鼻棘を骨切りします。

上顎骨離断専用のセパレーターを左右の上顎洞外側壁の骨切り線に挿入して、大口蓋管や翼状突起を温存するようにしつつ、上顎洞内外壁後端下部を上下に剪断して上顎洞後壁下部と離断しながら、上顎洞後壁下端付近も一部破断します。

大口蓋管や翼状突起を温存するように上顎洞後壁を本体側に一部残す形で、ロー鉗子を使ってLeFort T segment(上顎有茎骨粘膜弁)を前に引き、上下左右に少し動かすことで引き割ります(down fracture)。この時の骨折線は主に口蓋骨に入ります。

上顎洞壁をトリミングします。

短縮する場合は上顎の切離断端を上の墨出し(けがき)線までトリミングします。上顎洞内側壁の高さも合わせます。

鼻中隔軟骨や鋤骨、後鼻棘をトリミングします。

必要に応じて梨状口下縁をトリミングします。

左右とも施行します。

再固定位置を決定しマーキングします。

左右の梨状口縁脇と頬骨突起移行部前方(nasomaxillary buttress, zygomaticomaxillary butress)の辺りを土台にし、プレート(通常チタン)を用いて上顎を再固定します。

鼻粘膜を可及的に戻します。

鼻を可及的に再建します。

(前鼻棘をリン酸カルシウムで形成する松井式前鼻棘再建術は有料オプションです。)

骨膜で可及的に骨を覆います。

鼻柱下制筋を縫合します。

粘膜下を縫合します。

粘膜を縫合します。


外から圧迫固定します。



参考:骨切り長鼻術







松井医院 03-3433-0603







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